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2005年07月25日

●半落ち(ネタバレ)

映画をみたら、これも自殺幇助、嘱託殺人のお話なんで、びっくりしました。
話の流れが納得いかないところがあって、図書館で確認してみました。

アルツハイマーの妻を殺害した主人公に対して、裁判官が酌量の余地のない厳しい判決を下す場面があります。その判決を下す展開が、原作と映画でかなり違っていました。

映画は、「魂があるないによって命を裁くことが、人にできるはずがない」と判決の場で裁判官が叫ぶという、ドラマチックではあるけど、ちょっとありえない展開。
キリスト教では、神によって与えられた命の裁決を、人が行うことは罪とされるそうです。なので、映画の方はその文脈に沿っていますね。(同じく自殺幇助を描いた「ミリオンダラー・ベイビー」がアカデミー作品賞をとったというのは、アメリカ社会が変化している、その背景にあるキリスト教の内容が変化していることを示しているような気がしてなりません。)

原作は、アルツハイマーの義理の父を介護する妻に、裁判官が主人公の犯罪をどう思うのか聞いてみるんです。妻は、以前、義父に病状がすすんだら殺して欲しいといわれたと打ち明け、主人公のことを、「やさしい人」であると言います。
それでも裁判官は、介護し続ける妻の方の「やさしさ」を支持することを決意する、という流れになっていました。

なにが彼をそこまで追い込んだのかを、同情的、共感的に描いてエンターテイメントにしています。心中物のように日本の文化には古くからあるパターンではあります。

日本アカデミー賞受賞作品。
こういう作品が日米で連続して賞を獲得するのは、偶然ですか?

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