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2005年07月28日

●高橋哲哉「靖国問題」

靖国問題を<感情の問題>、<歴史認識の問題>、<宗教の問題>、<文化の問題>、<国立追悼施設の問題>に整理し、それぞれを論理的に考察している。
 
<感情の問題>戦争による非業の死を「名誉の戦死」と意味づけし、次の戦争のための兵士調達を容易にする感情操作装置が靖国である。
<歴史認識の問題>靖国はA級戦犯という認識を否定するが、日本の国際社会復帰が、戦犯判決を受諾したサンフランシスコ講和条約から始まっていることは無視できない。
<文化の問題>敵側の死者をまったく祀らない靖国は、「怨親平等」、死者を敵味方なく弔う日本の伝統に外れている。
 
以上の点については納得。
 
<宗教の問題>「靖国神社は超宗教である。」
この言葉が、戦前の諸宗教を呑みこみ、戦後も、靖国は宗教ではなくすべての日本人が尊重すべき「道」であるといった主張がおこなわれる根拠とされている。
あらゆる宗教、宗派を超えて、分かり合える道があるという考え方に、魔力のようなものを感じる。水平者宣言の起草者、西光万吉が取り込まれていったのも、このあたりなのかもしれないな。
ただ、現行の靖国神社がそれだとは、まったく思えない。
 
<国立追悼施設の問題>
筆者は、政教分離を明確にし、国立追悼施設はないほうがよいという提案をしている。
これは現状においては極論だと思うのだ。なにかうまい手はないものだろうか。。
 
ある弁護士さんの感想 この方の読書量はスゴイ! ファンです
靖国問題

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» 高橋哲哉『靖国問題』批判論考紹介 from 松尾光太郎 de 海馬之玄関BLOG
高橋哲哉さんの<font color=red>『靖国問題』</font>(ちくま新書・2005年4月)について、最近、幾つかのコメントを目にした。『諸君!』(2005年9月号)掲載の<font color=blue>潮匡人「高橋哲哉『靖国問題』 <感情の錬金術>を嗤う」</font>、『... 今身になっています。どこかで蓮のみのドライフラワーを見たことがあるので、お盆が過ぎてからトライしてみようと思っているんです。 [Read More]

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