同朋会の記録
ー御伝鈔に学ぶー


 「親鸞聖人伝絵」は親鸞聖人の御生涯を絵詞にしたものである。もともと絵巻物であったが、拝観に不便であったので、言葉と絵とを分けて、絵は掛け軸とし、その絵前で、絵詞を朗誦するようになった。その言葉を「御伝鈔」、絵を「御絵伝」と呼ぶ。

  「御伝鈔」の作者の覚如上人は親鸞聖人の最後を見とった末娘覚信尼の孫として、聖人の示寂の八年後に生まれた。二十一歳の正応三年(一二九○)、父覚恵とともに、関東地方の親鸞遺跡を巡拝する旅にて、遺弟に面会して、親鸞聖人の行実を三年にわたって聞いて廻った。そこで得た知識を基にして制作したのが「親鸞伝絵」である。覚如上人二十六歳のときであった。

 初稿本の絵は聖人の直弟西仏房の孫、信州康楽寺の浄賀法眼に描かせられている。康永二年(一二四三)、覚如上人七十四歳の時に増補されたものが東本願寺に伝わる「康永本」で、このテキストの底本になっている。この絵は浄賀法眼の子、円寂と門人宗舜が描いている。
 
 親鸞聖人の命日である十一月二十八日の、一週間前から八日間にわたつて「報恩講」が催される。真宗門徒最大の行事である。「御絵伝」を掛け、「御伝鈔」を拝読することになっている。本山では中日の初夜をえらんで(東本願寺は十一月二十五日、西本願寺では一月十三日)、御影堂に大きな蝋燭を二本だけをともし、周囲を暗くにして荘重に物語られている。

 末寺の「御絵伝」の前では、「御伝紗」拝読に伴って、僧侶や同行によるやさしい絵解きも行われたことであろう。報恩講の行事を通して、宗祖親鸞聖人の生涯を偲ぶことは、「たまわりたる信」を学ぶ大切な契機とされてきたのである。


 各ページの下にある逐語訳は、筆者のオリジナルである。ご批判をあおぎたい。

「真宗の門徒でありながら、親鸞聖人のことを何も知らない」という、問題提起がありました。
そこで、とりあえず、テキストを「親鸞聖人伝絵 ー御伝鈔に学ぶー」(東本願寺出版部 1500円)としました。
この頁を、今後、ご門徒の方々の、同朋会の歩みの記録としてスタートする事にしました。1999年5月